シーズン到来
毎年秋になると、カブスカウト、ボーイスカウトではポップコーンを売ってキャンプなどの資金集めをしています。ストア前のテーブルに商品を並べて、小中学生ぐらいのスカウトたちがサポートをお願いするため一生懸命アピールをします。
日本では街頭で募金活動を行っているところをよく見かけますが、そのお金はそのまま慈善団体へ寄付されています。
ところが、アメリカのボーイスカウトでは売上の約70%がスカウトたちの活動への資金となり、キャンプ費用などに使われています。1人でなんと2万ドル以上の売上があるスカウトもいます。
ガールスカウトのクッキーが1袋5ドルに対して、ボーイスカウトのポップコーンは値段が驚くほど高く1袋20ドルもします。ストアの中に入ればいくらでも安いポップコーンが買えるのに、わざわざこの高い値段のポップコーンを買ってくださる方がいらっしゃいます。また、ポップコーンはいらないからと5ドル、10ドルとお金だけを寄付してくださる方もいらっしゃいます。
ポップコーンを売る秘訣とは
ポップコーン会社が販売促進用のビデオを作成しています。スカウトたちはそのビデオを参考にしてセールストークを考えています。
1.ユニフォームを着る
2.笑顔で挨拶をし、自己紹介をする
3.スカウト活動へのサポートをお願いする
4.みんなの好みの味を熟知しておく
5.注文書とペンを用意しておく
6.最後にありがとうございますとお礼を言う
このポップコーン・セールを通して、スカウトたちは徐々に自信がつき、人前で話せるようになり、大人に対しても話ができるようになっていきます。セールスマンシップやお金の扱い方も身につくようになっていきます。
さらに激化するポップコーン・セール
以前はイベント会場でのみ販売していたポップコーンですが、今ではインターネットの販売も行っていて、個人のメールアドレスあてやSNSなどに案内を送り効率よく資金集めをしています。ポップコーン・セールも3ヶ月以上も前から計画的に準備が行われています。、第一次の締切、ピックアップ、第二次の締切、ピックアップまではある程度変更可能ですが、最終締切後はオーダーした数の全てをピックアップしなければならないルールになっています。
キャラメル味など人気のあるフレーバーはすぐになくなってしまいます。
また、ポップコーンだけでなく、高校生のスカウトたちは、車の洗車、駐車場のチケットなどで資金集めをしていることもあります。
ワールドスカウトジャンボリーやハイアドベンチャーなど参加費用が1人1,000ドルするので、ポップコーン・セールなどで資金集めをして活動費の一部に充ています。
アメリカ国外の基地からアメリカのキャンプに参加する場合は、以前は軍用機を使ってキャンプに参加していたこともありましたが、最近ではアメリカへの旅費も含めると1人当たり約5,000ドルという費用がかかっています。