イーグルスカウトへの道

日本にいながら海外でも活躍できるグローバル人材に育てたい。勉強しながらアウトドアも満喫したい。非常時にも対応できるサバイバル術を身につけたい。その解決策は Scouts BSAにあります。

ボーイスカウト 必須アイテム

 

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アウトドア必須アイテム

ボースカウトではアウトドアに毎回持って行くべき必須アイテムが10点あります。

なるべくコンパクトで軽く性能のいいものを準備します。

1)ポケットナイフ

2)レインギア

3)登山中の行動食(グラノーラ、レーズン、ナッツなど栄養補給用)

4)懐中電灯

5)重ね着用の服

6)ファーストエイドキット

7)日焼け防止(ローション、帽子、サングラスなど)

8)地図とコンパス

9)マッチとファイヤスターター

10)水筒

ポケットナイフは"Totin' Chip"(ポケットナイフ、斧、のこぎりの安全な使い方)を、マッチとファイヤスターターは"Firm'n Chit"(火おこしの安全な方法)をとらないと使えません。ルールを守らないスカウトはCertificateを没収されます。

パーソナルファーストエイドキット

ボーイスカウトのモットーは "Be prepared"(備えよ、つねに)なので、応急手当に関するスキルは非常に重要です。

各スカウトが持ってくるパーソナルファーストエイドキットには次のようなものがあります。CPR以外はほとんど100円ショップでそろえることができます。このほか、Troopのファーストエイドキットもあります。

それぞれについてどのような時に使われるのか説明することも課題にあります。

1)バンドエイド

2)ガーゼパッド

3)サージカルテープ

4)まめ用パッチ

5)石けん/アルコール入り手指消毒ジェル

6)抗生物質の軟膏(オプション)

7)コルチゾン(副腎皮質ホルモン)クリーム(オプション)

8)はさみ

9)ピンセット

10)非ゴム手袋

11)CPR

12)鉛筆、けしごむ、メモ帳

 

 

 

 

 

ボーイスカウト サマーキャンプの一日

 

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スケジュール      

サマーキャンプでは 朝食を作ることから始まります。役割分担には、食料調達・水くみ・火おこし・調理・後片付けがあります。

朝食後 きれいに片付けを済ませてから、全員が広場に集まり朝礼(フラッグセレモニー)を行います。午前のメリットバッジがあり、昼食を作って食べ、午後のメリットバッジに参加します。1つのメリットバッジは約3時間×2日でだいたい終わります。クッキングメリットバッジなど約3時間を4日かけて行うものもあります。

自由時間には遊んだり、トレーディングポストという臨時のスカウトショップで買い物して過ごしています。

夕食は 沖縄のキャンプだとレストランで食べますが、東京のキャンプだと料理するか食堂で受け取ります。

夕食後は、日替わりで異なるアクティビティが用意されています。キャンプ全体でゲームをしたり、チェスや天文学などのメリットバッジをしたり、キャンプファイヤをします。

時間 活動内容
06:30 起床
07:00 朝食
08:30 朝の集会
09:00 午前のメリットバッジ
12:00 昼食
13:00 午後のメリットバッジ
15:45 自由時間
17:30 夕食
19:30 アクティビティ
20:30 リーダー会議
22:00

就寝

オープニングセレモニー

キャンプに参加したスカウトたちを歓迎するために初日はキャンプファイヤをしてオープニングセレモニーを行います。

スタッフたちによる歌、スキット、ジョークなどが披露されます。キャンプファイヤもスタッフで活躍しているスカウトたちが準備、司会、片づけまで全部こなします。

フラッグセレモニー

モーニングセレモニーはスタッフたちの歌で始まります。その後、カラーガードの国旗掲揚、Pledge of Allegiance、Scout Law、Scout Oathの斉唱があります。

毎朝スタッフたちが「脱水症にならないようにたくさん水を飲みましょう!」を言うためだけにちょっとしたコントを披露してくれます。

サービスパトロール(トイレのお掃除担当)とプロジェクトパトロール(エンターテイメント担当)が決められます。ここでもコントがあります。

スタッフたちはスカウトを楽しませるために一生懸命工夫をしています。

それからキャンプ中にランクアップしたスカウトの表彰式があります。

最後はアナウンスメントです。今日はこういうことをやるので、どこどこに集まってくださいというお知らせなどです。

OA Day

水曜日はOA Dayといって、OAメンバーが白いサッシュをしてサービスをします。OAメンバーはいつもにこやかに挨拶をし、助けが必要なところへ手伝いに行きます。Brotherhood Walkを通過したメンバーはBrotherhood Ceremonyでこの日、Brotherhoodにランクアップします。

Troop Night

木曜日はキャンプ場でチャコール(炭)を使った料理をします。いつもはスカウトたちが料理をするのですが、この日はアダルトリーダーが料理をしてスカウトたちにふるまいます。

クロージングキャンプファイヤ      

クロージングキャンプファイヤは サマーキャンプで一番盛り上がるところです。

まずは、スタッフによる歌、スキット、ジョークから始まります。スタッフたちはよく練習もして、必ず笑いをとりキャンプに参加したスカウトたちを楽しませてくれます。

次に、各Troopが歌、スキット(劇)、ジョークを披露します。定番なものから新作までいろいろあります。

Honor Patrolや Honor Scoutの表彰もあります。

キャンプファイヤの最後には全員でキャンプファイヤを囲んで大きな円を作ります。Scout Vespers Songを2回歌い、2回目はハミングしながら徐々に解散していきま

ブルーカード

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ブルーカードのしくみ

メリットバッジを開始する際に、まずスカウトマスターにサインをしてもらいます。

その後、メリットバッジカンセラーから説明を聞き、スカウトは課題をやっていきます。メリットバッジカウンセラーは課題の番号ごとに日付とサインをしていきます。全部の課題ができたら完了です。メリットバッジカウンセラーが完了した日付とサインをします。

メリットバッジが終わっても、アドバンスメントチェアに提出しなければ認められません。アドバンスメントチェアは、スカウトから提出されたブルーカードをもとに個人の記録に入力し、表彰のパッチを用意します。完了したブルーカードの提出がなければCourt of Honorでも表彰されません。

大事なブルーカード

スカウトはメリットバッジごとに1枚のブルーカードをもらいます。1枚のブルーカードは3つの部分A、B、Cに分かれていて、完了すると、A「メリットバッジカウンセラー」B「スカウト」C「アドバンスメントチェア」の3ヶ所で保存されています。そのどれか1ヶ所でもあれば、スカウトがメリットバッジを完了した証明になります。

イーグルに必要なメリットバッジをとったかどうかはブルーカードでもチェックされるため、なくさないように気をつけなければなりません。

一度完了したメリットバッジでも、もしブルーカードが見つからず証明できない場合には、最初からもう一度やり直しになります。表彰でもらうパッチは証明にはならないのです。

イーグルとるまで 大事に保存しておかなければならないのがブルーカードです。

                         

Blue Card 完了後の保管者
Part A メリットバッジカウンセラー
Part B スカウト
Part C アドバンスメントチェア

 

メリットバッジ完了後もチャレンジ可能 

ライフルシューティングやアーチェリー、フィッシングなどはメリットバッジを完了した後も練習できます。 サマーキャンプではメリットバッジのプログラムとは別にコンテストを開催しており、誰が最も高いポイントをとれるか競います。優勝者には景品もでます。 自由時間に一生懸命練習するスカウトもいます。

メリットバッジデー

メリットバッジにチャレンジできる日

ボーイスカウトでは、サマーキャンプの他に年2回ほどメリットバッジデーが開催されます。半日もしくは1日かけてメリットバッジの課題をこなしていきます。

どこかのTroopがホスト役となり場所を提供し、メリットバッジカウンセラーを集めて、スカウトたちが様々なメリットバッジにチャレンジできるようにサポートしてくれます。

ほとんどのメリットバッジはその日に終わり、ブルーカードに完了のサインをしてもらえますが、いくつかの課題が残って終わらないものもあります。

メリットバッジデーに終わらなかった課題は、自分でやり終わってからメリットバッジカウンセラーに連絡をとってチェックしてもらいます。メリットバッジは期限がないので、すぐに完了するスカウトもいれば、ゆっくりやるスカウト、最後まで終わらないスカウトもいます。

 

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米軍基地で行われるメリットバッジデー

基地内にある様々な施設を使って開催されるので、まさに職業体験のような感じです。

例えば、Dentistry(歯科)やMedicine(医学)は海軍病院で、Veterinary Medicine(獣医学)は動物病院で、Nuclear Science(原子力科学)は海軍艦船修理廠 (SRF)、Oceanography(海洋学)はNaval Oceanography Antisubmarine Warfare Center (NOAC) で行われます。実際に働いているスタッフがメリットバッジカウンセラーになって教えてくれるので本格的です。

米軍基地に入る時にパスポートを見せますが、基地内はアメリカそのものです。ランチは持参するか米軍基地内のフードコートで食べます。お店やメニューもアメリカ本国と同じでドルで支払います。

ランチ以外の費用はかかりません。メリットバッジデーもアダルトリーダーたちのボランティアで行われているからです。

 メリットバッジの手順

1. どのメリットバッジを始めるか決めて、スカウトマスターがブルーカードにサインをする

2. メリットバッジカウンセラーのところへ行って説明を聞き、自分で調べたりして課題をやる

3. 自分で調べたものや集めたものなどをメリットバッジカウンセラーに見せて証明する

4. 全ての課題が終わるとメリットバッジカウンセラーがブルーカードに完了した日付とサインを記入する

5. 自分のTroopのAdvancement Chair にブルーカードを提出し、記録してもらう

6. 完了したメリットバッジのパッチをもらう

ボーイスカウトのCourt of Honor

ボーイスカウトの昇級を祝う表彰式

ボーイスカウトでは、Troop Meeting でも表彰されますが、3ヶ月ごと、半年ごとなどにまとめて スカウトたちのランクやメリットバッジの成果をCourt of Honor で表彰します。

保護者や兄弟姉妹、お友達も呼んでセレモニーを開催します。お祝いの食事も一緒にとります。

 

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緑色のサッシュはメリットバッジコレクション

Court of Honorなどセレモニーに出席する際は、スカウトたちは緑色のサッシュをつけます。

この緑色のサッシュに今までとったメリットバッジのパッチを縫ってあるのです。パッチには大きく2種類あって、シルバーの縁はイーグルに必要なメリットバッジで、グリーンの縁はその他です。

なんと、東京で全てのメリットバッジをとったスカウトもいます!

https://www.japantimes.co.jp/community/2018/09/12/issues/tokyo-scouts-done-got-merit-badges/#.XAURMxaRWEc

 スカウトたちによる運営

Court of Honorのパンフレットを作成したり、会場の準備をしたり、司会をしたりするのも全てスカウトたちが自分でやります。

高校生にもなればこういうこともできるようになるのだなぁ。と感心していたら、すぐに自分の子供の番が来て「次のCourt of Honor やってね」と言われるようになります。

また、Communicationメリットバッジの課題のひとつに、「Court of HonorもしくはCampfireでScriptを作成し司会を務めること」が含まれているので、イーグルスカウトになるためには、必ずやらなければならないことになっています。

Court of Honor のサンプルです。

https://www.programresources.org/troop-courts-of-honor/

過保護な家庭こそボーイスカウト

子供がひとりでやるように促すのがボーイスカウト

ボーイスカウトは11才以上ですが、その下のカブスカウトの時から子供が何でも自分でやるように促しています。

子供が自分でできるようになるよう教えるのは時間がかかりますが、教えた後はひとりでやるようになります。子供も楽しんでやっています。

親が子供にずっと一緒についてやることはできません。子供ひとりでできるようになることが増えればそれだけ子供はたくましくなります。

サバイバルがボーイスカウトの基本

ボーイスカウトでは、あらゆる状況に対応できるよう、普段から応急手当、緊急災害対策、いじめ、アルコールやドラッグなどの対応など様々なリスクに備えています。

Wilderness Survival というメリットバッジでは、テントを使わずに野宿し、火おこし、飲み水の作り方、防寒、遭難信号などといったサバイバル技術を身につけます。

非常事態の時も臨機応変に対応できる能力が今こそ必要なのです。

たくさんの兄弟と指導者がいるのがボーイスカウト

ボーイスカウトに入ると、小学5、6年生から高校3年生までが一緒に活動します。一人っ子にもたくさんの兄弟ができます。ファーストクラス以上のリーダーたちは、入ってきたばかりのスカウトにとても丁寧に色んなことを教えてくれます。仲間と一緒に過ごす時間は子供にとって非常に重要です。

ボーイスカウトのアダルトリーダーたちは、様々なトレーニングを受けています。イーグルスカウトだったというお手本のリーダーもいれば、メリットバッジカウンセラーのようにスカウトたちにいろんな技術・趣味などを教えてくれる先生のような人もたくさんいます。

子供がボーイスカウトに入ると、リーダーたちから色んなことを学び、自分がリーダーになったら今度は色んなことを他のスカウトに教えます。

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親子で強力な結びつきができるのがボーイスカウト

ボーイスカウトに入っていなければこんなに頻繁にキャンプに行っていなかったかもしれません。家族の温かいサポートがなければイーグルスカウトになっていなかったかもしれません。

ボーイスカウトでは、プログラムに家族、学校、地域と関わる課題がたくさん含まれています。子供にとってもいいプログラムですが、保護者にとっても子供と一緒に過ごす時間が増えて、親子の間に強力な結びつきが生まれるのです。その時間は特別なものであり、振り返ってみると素晴らしい思い出になります。

ボーイスカウトを続けたくなる理由

チームワーク

ボーイスカウトのプログラムは、スカウトたち主導で行われているため、楽しいアクティビティが優先されます。

PLC (Patrol Leaders’ Council)という会議でリーダー格のスカウトたちが計画を立てるのですが、みんながやりたいことでなければ支持されません。みんなで一緒にやるから楽しいのです。

そのため、SPL (Senior Patrol Leader)とよばれるトップのリーダーは、みんながやりたいことを聞き、意見をまとめてゴールをイメージします。ゴールを決めたらどのような方法でやるのかについても議論します。

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サーバントリーダーシップ

NYLTやOAなどリーダシップのトレーニングに参加すると、自分にも出来ることが必ず見つかります。志が高くなり、自発的にこういうことをやりたいと思うようになります。今まで先輩がやってくれていたことを見て、自分も何か役に立ちたいと思うようになります。そして、それが自分のためにもなっていることに気づきます。

 表彰

Troop Meeting に参加し、キャンプやハイキングなどにも積極的に参加するスカウトは、課題がどんどん進み、早く昇級します。年齢は関係ありません。イベントに参加したり、ランクが上がったりすると表彰されてパッチやスカーフなどがもらえます。

コツコツ続けると地道な努力が報われて、イーグルスカウトになれるのです。

さらに、ボーイスカウトオブアメリカの素晴らしいところは、優秀なスカウトに対して必ず表彰をします。色んなアワードがありますが、それらは全て個人の記録としてデータが記録されます。

個人の記録には、いつ入会していつどのランクに昇級したか、いつどんなメリットバッジをとったか、いつどんなアワードを受けたかなどが記録されています。

カブスカウトから入会したスカウトは、カブスカウトの記録も全てボーイスカウトへ継続して記録されているのです。この記録は公式なものとしてアメリカでは認められています。