イーグルスカウトへの道

日本にいながら海外でも活躍できるグローバル人材に育てたい。勉強しながらアウトドアも満喫したい。非常時にも対応できるサバイバル術を身につけたい。その解決策は Scouts BSAにあります。

ボーイスカウトでも親の協力は必要

カブスカウトボーイスカウトの違い

 カブスカウトでは保護者と一緒に活動しますが、ボーイスカウトではスカウトだけで参加することができます。

カブスカウトではカブマスターやデンリーダーが何をするかを決めますが、ボーイスカウトではスカウトたちが決めます。

そのため、入会したばかりのスカウトにとってはわからないことも多く、リーダー格のスカウトや他のスカウトになかなか聞くことができないまま過ごしてしまうこともあります。保護者のほうもスカウトの経験がなければ、たいていはあまりよくわからないまま子供を参加させていて、その結果、子供のランクアップが遅くなることがよくあります。

プログラムを理解する

ボーイスカウトでは保護者も昇格のプロセスをよく理解しておくことが非常に重要です。スカウトランクで初めに習うことは、特に保護者にも理解してもらいたいことです。ボーイスカウトのプログラムはスカウトハンドブックにも明記してありますが、保護者用のガイダンスビデオがあるのでそれを活用するといいと思います。

また、保護者はさまざまな面でスカウト活動に協力することができます。自分にできそうなことがあれば、少しずつでよいのでスカウト活動に参加してみましょう。参加することでより深く理解できるようになります。

スカウトを励ます

ファーストクラストレイル(テンダーフット、セカンドクラス、ファーストクラス)の間に、スカウトはフィットネスを30日行ってログをつけるという課題があります。

スカウトが自主的に行わなければならない課題ですが、なかなかやってこないスカウトが多く、そういうスカウトは順調にランクアップできません。

スカウトに30日の表を作らせて壁に貼り、保護者は声をかけてあげるだけでいいのです。スカウトを励まし、その課題が終わるよう促してください。

保護者は質問があればいつでもアダルトリーダーに聞いてください。質問の内容によっては、スカウトが知っておかなければならないことは直接スカウトが質問するようにお願いしています。保護者は、スカウトが自分で説明したり、自分で質問するように励ましてください。コミュニケーションを積極的にとるよう促してください。

 スカウトが高校生になると勉強も忙しくなります。スカウト活動になかなか時間を割くことができません。そういう時でも、優先順位を考え、今やっておかなければならないことに少しの時間をあてるように促してください。保護者もスカウトもアドバンスメントチェアにいつでも相談することができます。アドバンスメントチェアはスカウトに的確なアドバイスをしてくれます。アダルトリーダーたちはいつでもスカウトのサポートをしてくれます。肝心なことは、スカウトのやる気です。スカウトが非常に困難な状況にいる時、保護者はスカウトを根気よく励まし、支えてあげてください。

 スカウトに自分でやらせる

 ボーイスカウトでは親は口出ししてはいけないことになっています。スカウトが自分でやれるようにならないと成長しないからです。これは過保護な親にとっては非常に難しいことです。特に母親は「こうやればもっとうまくできる。こうやれば早い。」ということをついつい口をだし、手をだし、挙句の果てには母親が全部やってしまうということになりかねません。教えること自体は問題ありませんが、大事なのは、スカウトに自分でやらせるという点です。母親がイーグルスカウトになるのではありません。

例えば、クッキングでは保護者がメニューを立て、買い物をし、キャンプ場でも作ってしまうことがあります。そういう保護者には、食材を別に分けてもらい、スカウトとは別のコーナーで保護者用の料理をしてもらっています。スカウトが自分で作るのを邪魔させないためです。

スカウトに今日はどんな料理を作るのか、どうやって作るのかをまず説明してもらいます。他のスカウトがお手伝いするのに何をやったらいいのかよくわかるようにするためです。スカウトたちは、お互いに手伝うことでたくさんのことを学びます。

テンダーフットではまず他のスカウトのお手伝いだけをやります。セカンドクラスでは温かい朝食か昼食を作ります。ファーストクラスでは朝食・昼食・夕食の3食を作ります。徐々にやる内容も増えていきますが、他のスカウトの手伝いをするうちに要領もよくなってきて上手にできるようになります。

保護者はスカウトが自分でやるのを邪魔しないことがとても重要です。

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ボーイスカウト 基礎スキル

ファーストクラストレイル

ボーイスカウトのランクで最初の4ステップ(スカウト、テンダーフット、セカンドクラス、ファーストクラス)の間は ファーストクラストレイルと呼ばれ基礎スキルを身につけます。

スカウトランクでは、ボーイスカウトルールやTroop Leadership、昇級のしくみについて学びます。カブスカウトからArrow of Lightのランクをとってボーイスカウトへ上がってきた場合は、スカウトランクのほとんどの内容が終わっています。ボーイスカウトから入会した場合は、このスカウトランクで一番重要なことを学びます。つまり、これから18才になるまでどこを目指していくのか、どういうふうにやっていくのかということを最初に教わります。

テンダーフット、セカンドクラス、ファーストクラスでは、キャンプの準備、Knotsやlashingといったロープの結び方、クッキング、ファーストエイドキット、ハイキング、ナビゲーション、フィットネス、シチズンシップなども身につけます。ランクが上がっていくにしたがい、少しずつ内容が深くなっていきます。スモールステップで繰り返し経験することでより上手にできるようになっていきます。ファーストクラス以上になったら今度は自分が他のスカウトに教える番になるので、このファーストクラストレイルの間に何度も経験を積んでおくのがよいと思います。

目安としては、1~2年で15泊ぐらいキャンプに参加すると、ほとんどのスカウトがファーストクラスになります。

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Totin’Chip

ポケットナイフ、のこぎり、斧の安全な使い方を身につけます。道具の手入れの仕方、ルール、使い方を習い、修了すると名刺サイズのカードにサインします。Totin' Chipを持っているスカウトだけがポケットナイフ、のこぎり、斧を携帯し、使うことができます。

Wood Curving, Woodworkのメリットバッジには、Totin' Chipをとっていないと参加できません。

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Firem’n Chit

安全な火おこしの仕方を身につけます。かまどの組み方、木の組み方、着火の仕方、空気の送り方、火の消し方を習い、修了するとカードにサインします。Firem’n Chitを持っているスカウトだけがキャンプファイヤなどの火おこしをすることができます。

着火は、マッチのほか、虫めがね・火打ち道具(マグネシウムなど)・火きり棒なども使っています。

Totin' ChipもFirem’n Chitもカードの裏側に「My Responsibility」があり、ルールに違反したスカウトは資格をとりあげられます。

 

ボーイスカウト 人気のキャンプ料理

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ダッチオーブン

ボーイスカウトでは5種類の材料を使って栄養バランスのある料理を作っています。ダッチオーブンを使うと、それらを入れて炭火にかけるだけでできるので簡単です。例えば、鶏肉、じゃがいも、にんじん、たまねぎなどを切って、スパイスで味付けします。シチューでも蒸し焼きでも、どちらにしても材料が柔らかくなり、非常に美味しくいただけます。

しかも、このダッチオーブンは料理だけでなくデザートでも活躍します。「ピーチコブラー」ももの缶詰、砂糖、ホットケーキミックスダッチオーブンにいれてかきまぜ、焼くだけです。

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フォイルクッキング

フォイルクッキングとは、ティンフォイルとよばれる厚手のアルミフォイルに材料をいれて炭火にかけてできる非常にお手軽な料理です。ダッチオーブンと同様な具材を使って、肉(鶏肉、ハンバーグなど)や魚プラス野菜などをフォイルクッキングで調理します。

このフォイルクッキングが人気の理由は、遠赤外線効果で非常に美味しいことだけではありません。鍋やお皿を使わないので後片付けが楽ちんなのです。

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スモア

スタバでも夏限定のスモアフラペチーノが流行りました。スモアというのは、アツアツのマシュマロをグラハムクラッカーとチョコレートではさんだデザートです。

キャンプファイヤを囲み、みんなでおしゃべりしながらスモアを食べます。

イーグルスカウトになるための秘訣

 

ファーストクラスランクに早くなる

ボーイスカウトでは18才の誕生日までしか活動できないという時間的制限があります。入会したら一生懸命活動して、なるべく早くファーストクラスランクになりましょう。

スカウトたちがよくつまづいている点をあげると、フィットネス、クッキング、水泳、ハイキングがあります。

フィットネスは、テンダーフット、セカンドクラス、ファーストクラスクラスにそれぞれ課題があり、30日ずつ記録をつけることが必要です。

クッキングも、補佐として手伝う、朝食か昼食を作る、朝食・昼食・夕食の3回作るというように3段階あります。スカウト全員が一度にクッキングできないため、順番待ちになります。

ハイキングに行ったら、ハイキング、ネイチャー、ナビゲーションの課題をやってもらえるようにSPL(Senior Patrol Leader)にお願いしておかなければなりません。

水泳の課題では、BSA Swimmer testというのがあり、100m泳げないと合格できません。

自宅でやれる課題もあります。

スカウトハンドブックを熟読して、次にできる課題は何か、次のアウティングでできそうか常にチェックしておくといいでしょう。

言われたことしかやらないでいると、ランクアップの機会を逃し時間だけが過ぎていきます。

イーグルに必要なメリットバッジを積極的にとる

メリットバッジには縁がシルバーとグリーンの2種類あります。イーグルに必要なメリットバッジはシルバーで以下の13種類です。この13種類を含む21のメリットバッジが必要です。

-Camping

-Citizenship in the Community

-Citizenship in the Nation

-Citizenship in the World

-Communication

-Cooking

-Environmental Science OR Sustainability

-Family Life

-First Aid

-Personal Fitness

-Personal Management

-Emergency Preparedness OR Lifesaving

-Cycling OR Hiking OR Swimming

このうち、90日間かかるメリットバッジがFamily Life, Personal Fitness, Personal Management です。最初にメリットバッジカウンセラーの説明をよく聞かずに始めてしまうスカウトがいますが、間違った方法でやっている場合にはやり直しをしてもらっています。

Swimming は1日で終わるメリットバッジなので、泳ぎが得意なスカウトにとっては簡単な課題ですが、苦手なスカウトはCyclingやHikingのメリットバッジをとる必要があります。例えばHikingだと、5マイル(約8km)1回、10マイル3回、15マイル1回のハイキングへの参加が必要です。

Communication は8時間のService Project を行う必要があります。

Camping とCookingにはそれぞれクッキングの課題があります。さらにCookingではキャンプ場でのクッキング、バックパッキングでのクッキング、家でのクッキングの3種類あり、それぞれにメニュー、カロリー計算、材料リスト、コスト、調理道具など計画する必要があり大変時間がかかります。これもワークシートを使えば何が必要かわかるようになっているにもかかわらず、適当にやろうとするスカウトがいて何度もやり直しをしてもらっています。

ボーイスカウトではそれぞれのメリットバッジのRequirement (課題)をきちんとこなさなければいつまでたっても完了できません。マニュアル化されていてどこに所属しても同じ基準が適用されるのです。

メリットバッジカウンセラーと密に連絡をとり、進捗状況を確認しながら進めるのがよいでしょう。

ボーイスカウト キャンプギア

Personal Gear

ボーイスカウトではスカウトが自分の持ち物を自分で準備しなければいけません。これも課題のひとつになっています。

-制服、帽子

-スカウトハンドブック、ノート、ペン

-時計、アラーム

-ポケットナイフ

-レインギア

-ファーストエイドキット

-懐中電灯

-日焼け止め

-コンパス

-マッチ

-水筒

-メスキット(コップ、お皿、スプーン、フォーク)

-寝袋

-インフレーターマット

-Tシャツ(もしくは長袖シャツ)

-ズボン

-下着

-靴下

-フリース、ジャケット

-ビーチサンダル

-水着

-タオル

-洗面具(石けん、シャンプー、歯ブラシなど)

-洗濯バッグ

-キャンプチェア

Troop Gear

みんなで使うものはTroop Gearといい、キャンプ前のTroop Meeting でギアチェックを行います。

-旗

-ファーストエイドキット(Troop用)

-テント、ペグ

-グランドシート

-タープ、ギーライン

-ランタン

-ロープ

-給水タンク

-クーラーボックス

-クッキングギア(コンロ、鍋、フライパン、ダッチオーブン、包丁、まな板、調理具、洗い桶、洗剤、スポンジなど)

-Totin’ Chip (のこぎり、斧、砥石、ゴーグル、手袋など)

-Firem’n Chit (火おこし用具、炭、薪、バケツなど)

-リペアキット

-ゴミ袋

キャンプに持ってきてはいけないもの

ゲーム機器、ライフルなど発砲するもの、花火など発火するもの、シースナイフ、お酒 その他BSAルールに違反するもの

これらは見つかり次第没収され、スカウトはただちにキャンプ場からチェックアウトさせられます。

ボーイスカウトの冬 Klondike Derby

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Klondike Derbyとは?

エスキモーの犬ぞりをまねして、スカウトたちが作ったそりを使って行われる雪上レースです。ボーイスカウトの伝統的な冬の行事のひとつです。

背景には、1896年、アラスカのクロンダイク川で金が発見されておこったゴールドラッシュがあります。多くの人々がたくさんの食糧を積み、ハスキー犬にそりをひかせて極寒の地へ向かいました。彼らはどんな吹雪の中でも、また熊やクレバスなどのどんな危険にも耐えるべく、豊富なサバイバルスキルが必要でした。

ボーイスカウトでは、チェックポイントごとに様々なスカウトスキルを設け、レースを行っています。そりをコントロールするリーダー以外は、犬ぞりの犬の役割を果たします。

レースの概要

例えば、以下のようなチェックポイントとスキルがあります。チェックポイントごとにその成績によってGolden Nuggetsがいくつかもらえます。チェックポイントをまわりながらGolden Nuggetsを集めていきます。レースタイムが速かったチーム、Golden Nuggetsをたくさん集めたチーム、そりのデコレーションが素晴らしいチームなどポイントが高いチームは表彰されます。                                          

CITY EVENT
Kodiak Lashing
Fairbanks Fire building
Norm Knots
Anchorage Fist Aid
Fort Yukon Wilderness Survival
North Pole Snow Shoe Relay
Cooper Center Orienteering

そりの設計図

大会によってはそりの設計図まで厳格に定められているところもあります。

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カブスカウト 必須アイテム

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カブスカウト必須アイテム6

1)ファーストエイドキット(バンドエイド、まめ用パッチ、ガーゼ、抗生物質軟膏など)

2)水筒

3)懐中電灯(非常時用)

4)登山用行動食

5)日焼け止め(SPF30以上のローション、帽子)

6)笛(非常時用)

カブスカウトではアウトドアで過ごすことを楽しんでもらうのが大きな目的です。そのためにはきちんとしたギアが必要です。

このカブスカウト必須アイテムをハイキングやキャンプなどで必ず持参します。ボーイスカウトにあがると10の必須アイテムになりますが、「事前に準備をする」という基本的な考えは同じです。

カブスカウトのハイキング

アウトドアのアクティビティでは必ず、Outdoor CodeとLeave No Traceの説明があります。自然のものを傷つけない、ゴミは持ち帰るなどといった基本的なルールを身につけます。各ランクの課題は、それぞれ自然を楽しめるようなものになっています。

Tiger(小1)のランクでは、自然のものを2つ(見たもの、聞こえるもの)を探す。1-foot Hikeで見つけたものをリストアップする。2種類の鳥を見つける。

Wolf (小2)のランクでは、天気の変化について調べ、天気に応じた服装を準備する。バディシステムを理解し、実際にバディで行動する。もしバディとはぐれたらどうすればよいか説明する。天気に応じた服装を準備する。野生の生物にえさを与えたりせず、遠くから観察するなど野生の生物を敬う。今まで見たことがない面白いものを2つ発見する。2種類の鳥、2種類の昆虫、2種類の動物を見つけ、名前を調べる。地図記号や方位について調べる。

Bear(小3)のランクでは、パーソナルギア、グループギアについてリストアップする。自然のしるし(体の特徴、糞、におい、ぬけがら、葉、どんぐりなど)から、哺乳類・鳥・昆虫・爬虫類・植物の名前を6つ見分ける。動物園やネイチャーセンターで学んだことを記録する。野生の生物を遠くから観察し、観察した内容を記録する。虫めがねを使って植物を観察し、観察した内容を記録する。

 Webelos(小4・5)のランクでは、ハイキングプラン(場所、距離、集合場所・時間、スタート時間、フィニッシュ時間など)を立てる。ハイキングでおこる非常事態を想定して持って行くものを準備する。栄養のあるランチとスナックを準備する。ゴミ拾いをする。

 オリエンテーリング

カブスカウトではオリエンテーリングといって、地図にポイントをつけておき、そのポイントにきたらチェックしながらハイキングを楽しんだりしています。

橋、滝、名所、広場などわかりやすいところにチェックポイントがあり、休憩もできるように配慮します。全部のチェックポイントを制覇すると、セグメントパッチをスカウトに渡すなどして、また参加したいと思ってもらえるような工夫をしています。

 

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